カテゴリ:わたしの、ゆめ( 1 )

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棚の色はアイボリー。テーブルクロスと、朝の柔らかなクリーム色の光とぴったりとマッチ。
下のほうは未製本のものが多く、上に行けばいくほど、皮製本の頑丈な貴重書が増えていく。
下の段は前に10センチほどせり出しており、上に乗っかる一回り薄い棚部分をがっちりと支えている。そして、せり出した部分には、ところどころに、ちょっとした置物や、家族でやり取りをしたらしいポストカードなどが置かれている。この部分が、物置化せずに調度のアクセントとしての価値を維持できるのは、10センチという幅の妙だろう。
選りすぐりの本を扱う本屋が、「これは売るまい」と決めた本たちが、たっぷりとつまった壁一面。

こういう書棚は、どこで売っていますか?
「もちろん私たちが作ったのよ。こんなのは売っていない」
時間をかけて、少しずつ、書棚を作っていったのだ、そうです。
嗚呼、この国では、多くの人々が、家を自ら装うのだ。
引っ越し後、寝室とキッチンだけはまずきちんとするけれど、そのほかの部屋に段ボールがうずたかく積まれていても気にしない。
そのあとひと月以上かけて、だんたんと、部屋をきれいに装っていく。
ペンキを塗るのが得意ならペンキ塗りを。組み立てが得意な人は組み立てを。
家族で分担し合って、だんだん、家をかたちに、する。

「そんなの、そもそも家の大きさからして、違うんだもの、日本では無理無理」

という声も聞こえるんだけど・・・。
そうかなあ、ほんとうに、そうかなあ・・・。

引っ越し後1か月、家の半分がぐちゃぐちゃでも、
「半分はうんときれいになったぞ」「一か月後が楽しみだなあ」
と思えるかどうか。
「さっさとやって、今日からほら、ぴかぴかの場所にしてくれなくっちゃ、あたし、いやなのよう」
なんてヒステリーを起こさないかどうか。
むしろ、広さよりも、そういう心持のほうが、よほど大事なんじゃないか・・・。

まあ、今の私には、絶対無理だけれども。
でも、誰かと書庫を共同管理するなんて夢がかなった日には、まあ、書棚を手づくりするとは言わないまでも、心持だけは、おおきくもっていたいものだなあ・・・
だって、ここに並んでいるこんな本たちは、それが本という「もの」であるがゆえに、宝物のような価値をもつ。
持ち主の心持が、本を、宝物にしている。んだ。

自炊、データ化、電子出版が、進みます。きっとこれから先もっともっと。
それでも。
「本は、これからきっと、宝物のようになっていくよ」 まえだまなみのひとこと。けだし名言。
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