「ウルトラ・ミラクル・ラブストーリー」を3年半ぶりに観た

ウルトラミラクルラブストーリー [DVD]

VAP,INC(VAP)(D)

 
前の大学にいた頃、まだ専修に進級していない1年生を対象とした「選択基礎演習」というのを2年間担当した。今年は、この2年目のクラスにいた皆さんが、順当に行けば大学を卒業する年にあたっているはずで、感慨深いものがある。そういえば、あの学校の最後の授業が、このコマだった。
この授業の冒頭で、2年連続して、横浜聡子『ウルトラ・ミラクル・ラブストーリー』を見せてディスカッションをしたものだった。気づいたらあれから3年半が経過した。折も折、今の職場の4年ゼミ(つまりあの「選択基礎演習」2年目の皆さんと同じ学年ということだな)の面々と一緒に、3年半ぶりで昨日、この映画を見た。3年半前といえば、ちょうど濱口竜介レトロスぺクティヴが、今はなきオーディトリウム渋谷で開催されていた頃。あまりの熱量に、横浜聡子作品が、あのあと私の視界から消えてしまっていた、ということに、昨日、4年の面々に何を見せようかと考えていた折に思い出したのだった。「視界から消えた」という言い方は、実感として正しい。私が飽きたのでも忘れたのでもなく、ただ、視野から消え失せてしまっていたのだった。
はじめてこの作品を見たのはいつだっけかなあ。確かリトルモア地下で飴屋法水の「三人いる!」に通いつめていた時に、この映画のポスターを見たような気がするなあ。

今改めてこれを見て、つくづく、いい映画だなあと実感する。かつて見た時も好きで好きでたまらない作品だと思ったけど、今になってこれを見て、作品の奥にまでさらに深く潜った気がした。
昨日から今日にかけて、いろいろとほかの仕事をしつつ、昨日の作品鑑賞を振り返っていてふと気づいたこと。今日の今日まで、この「陽人」によく似た人が、私の周囲にはたくさんいるなあと思ってきたし、実際それはそのとおりなのだけれど、ひょっとしてひょっとすると、私のことをこの「陽人」に似ているって思っている人たちも、もしかするといるのかもしれない。自分では到底そんなこと考えられもしないし、むしろたくさんの「要人」と関わりながら生きているぶん自分は「町子」に近いよ、というのが主観的な思いだけれど、でも、人が私のことをどう考えているかなんて、私には全然わからない。意外にも「間瀬は陽人っぽいとこある」なんて、そんなふうに思われたりも、するのかもしれない。





前の大学の授業でこれを扱ったときと、仙台の大学でこれを扱ったときとでは、「陽人」が農薬噴霧の準備をしているときの学生たちの様子が違っていたのが印象的だった。東京ではみんな静かに見ていたけれど、昨日はみんな、「え、まさか、まさかでしょ」「あぶないよ」「ええ??」とドギマギしている様子だった。「農薬をかぶる事=危険」という情報を、日常レベルで持っている人と、そうでない人がいるのだということが、二つの学校でのリアクションの違いから、如実に感じられた(もっとも、東京の大学では、授業中に独り言なんてつぶやける雰囲気じゃなかったから、ということかもしれないけど)。
それから、青森の言葉を自分の母語のように理解してる学生がいたのもまた印象的だった。私の大好きな映画で喋られている、私には解読不能な言葉を、自分の言葉として理解している人達に、私は2年にわたって授業をしていたのだなあと思って、それがなんか、嬉しかった。
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by apresthese40 | 2016-02-28 19:28 | 演劇映像芸術音楽本… | Comments(1)
Commented by desire_san at 2016-04-03 23:22
こんにちは。
私もラブストーリーの映画が大好きなので、興味をもってブログヲ0読ませていただきました。ブログを拝見して「ウルトラ・ミラクル・ラブストーリー」という映画をぜひ見たくなりました。

私も私の好きなラブストーリーを桜の花の写真とともにリストアップしてみました。ご覧になった映画、お好きな映画はあるでしょうか。ご覧いただいてご意見・ご感想などコメントをいただけると感謝いたします。